あけぼの岐阜

岐阜県の乳がん患者会

~「がん」の正しい知識と命の大切さを知る ~ ☆ がん教育はご存知ですか?

日時:3月5日(日)13:00~15:00

場 所:みんなの森ぎふメディアコスモス1階 考えるスタジオ (岐阜市司町40番地5)

参 加:会場60人:一般、教育関係者、医療従事者、がん経験者、あけぼの岐阜会員9名を含む、WEB100人

内 容:AYA世代(15歳~39歳)のがん患者支援について考える「AYA WEEK」が3月4日~12日まで全国で展開されました。

今回のシンポジウムで【あけぼの岐阜】は、午前中にブースを設けて啓発活動、午後からは岐阜大学医学部附属病院がんセンタ-、岐阜県教育委員会との

共催セミナー「がん教育はご存じですか?」を実施しました。

 

セミナーは、岐阜県の「がん教育」にご尽力されているお三方の講演から始まりました。

①「岐阜県におけるがん教育の取り組み」岐阜県教育委員会体育健康課:教育主管 中村康男様

②「小児AYA期におけるがん教育の取り組みについて」岐阜大学医学部附属病院小児科:臨床准教授 小関道夫医師

③「西濃地区におけるがん教育の取り組みについて」大垣市民病院呼吸器内科:副院長 進藤丈医師

講演のあと、小関道夫医師と【あけぼの岐阜】の橋渡智美代表が、コラボで「がん教育」のデモンストレーション授業をおこないました。

最後にパネルディスカッションが行われ、小関医師、進藤医師、中村教育主管、保健体育教諭(岐阜市立境川中学校)、橋渡代表が、これからのがん教育について

意見を交わしました。

会場の最前列にて聴講され柴橋岐阜市長が「子供にとって命の大切さを学ぶ授業を今後、どこでどう活かすのかが重要です。」と熱く語られました。

 

~~参加者の感想~~

●啓発活動をしていたら、親御さんに病気のことを相談できないと40代の方がいらっしゃいました。

橋渡さんが言われたように家族にも言えないような経験を、他人に好きで公表する方はいないと思いました。

●小関先生はお医者様としてのがんの知識、経験をわかりやすく優しく伝えてくださり、橋渡さんはがん経験者としての体験、思い、願いを

とつとつとお話してくださり、涙があふれてきました。がんという重いテーマから命の大切さを子供たちに伝えていくがん教育は、

明るい未来を想像させてくれます。

●今回、シンポジウムに参加して岐阜県教育委員会、医療者、がん経験者が、子供たちの為に取り組んでいる「がん教育」のことをよく理解できました。

そして現在、課題となっているがん経験者の語り手不足、育成の問題が解決することを願っています。

また、語り手を通してがん患者に対する偏見が、少しでも無くなってくれれば嬉しいです。

●小関先生、進藤先生のように情熱を持って、引っ張っていく方がいらっしゃるおかげで、がん教育も成り立っていくのだろうと思います。

「がんは他人事ではなく、がん教育も早すぎるということはない。そのために、教育者、医療者、がん経験者が協働していくことが大切」と話され、

本当にその通りだと思いました。

●ウエブの入り方に戸惑い、画像の出し方がわからず声のみでしたが、橋渡さんのがん教育の講演、娘さんのこと、

お母さんがガンになられた生徒さんの言葉、心に響きました。ディスカッションの際、皆さんの発言に対して橋渡さんが考えていらっしゃる

がん教育の意見をしっかり述べられ、学ばせていただきました。

●個人としてではなく「がん患者会」として、がん教育に貢献されている橋渡さんの姿勢に勇気と希望を貰いました。

がん教育パネルディスカッション

日時:2023年3月4日(土)13:30~15:30

講師:徳丸 剛久先生(岐阜大学医学部附属病院:乳腺外科 特任講師)

参加:医師1名、管理者1名、会員8名

 

事前に相談内容は徳丸先生にお渡しして、司会者が質問を読み上げた後、

徳丸先生がスライドを事前に用意し解答。

参加者がそれに対してさらに質問を重ねるという流れで、進行しました。

スライドはおもに「 乳がん診療ガイドライン2023」から引用。

7名の方の事前相談がありましたが、そのひとつを紹介します。

 

Q:遺伝子検査とゲノム検査の違い。また、保険適応でいくらかかりますか?

A:一部のがんでは、1つまたは少数の遺伝子を調べる「遺伝子検査」(HBOC検査など)を行い、

検査結果をもとに薬を選ぶ治療が、すでに標準標準治療として行われている。

「がんゲノム医療」として、多数の遺伝子を同時に調べる「がん遺伝子パネル検査」

(NCCオンコパネル、がんゲノムプロファイル)は、その一部が保険診療として、

標準治療がないまたは終了した(終了が見込まれる)などの条件を満たす場合に行われている。

「HBOC検査」の費用は3割負担の場合6万600円

「がん遺伝子パネル検査」の費用は3割負担の場合16万8千円

※高額療養費制度の対象となる場合がある。

その他の質問:

乳房切除後症候群、乳がん薬物療法の心臓への影響、腋窩リンパ節郭清術、

出産間近の姪(母親と叔母が乳がん)の乳がん検診時期、蜂窩織炎、乳がん再発転移の治療について、等

 

【参加者からの感想】

●他の方の悩みが自分にも当てはまり参考になりました。有意義な時間が過ごせました。

●何回聞いてもゲノム医療や遺伝子が理解できずにいたので、

先生の話を聞いて理解でき胸のつっかえがとれました。

●病院の外来担当医師には時間が無かったり、今更こんな事を聞いていいのかと遠慮してしまいます。

今回、相談して良かったし、今後も相談会の必要性を感じました。

●相談会の次の日に出産した姪の乳がん検診は、いつ頃受けられるか?という難しい質問に、

先生は本当に誠実に考えて答えて下さり嬉しく思いました。優しい語り口で質問しやすく、

今後もあけぼの岐阜の相談にのって欲しいです。

●入院となりベッドからの参加でした。先生に検査結果を見てもらい判断を頂けるという、

まさにセカンドオピニオンの回答をいただくことができました。

痛み止めも驚くほどの種類があることがわかり、安心しました。これからも、新しい薬や治療法が出てきます。

それを知り選択し安心するためにも、今回のような勉強会の重要性を感じました。

●蜂窩織炎についてガイドラインなどに書かれている事だけでなく、先生のご経験やお考えなども含めて

丁寧にお答えいただいたので、ずっと疑問に思っていた事がスッと解決しました。

●先生やみなさんのお話を聞いて、右乳癌全摘、腋窩リンパ節郭清の手術を頑張ろうと思えるようになりました。

その後起きるだろうと思われるリンパ浮腫のことも、詳しく説明して頂いてわかりやすかったです。

 

以上、内容報告でした。