今年4月より木沢記念病院 乳腺外科が「乳がん治療・乳房再建センター」として新しく「センター化」されたことを受けて、同病院乳腺専門医の竹内賢先生(あけぼの岐阜顧問医)と同形成外科の高木美香子先生(形成外科専門医)お二人の先生にお話をお願いしました。
高木美香子先生「乳房再建」
乳腺外科と形成外科の連携による、一次再建手術、二次再建手術ができ、幅広い手術方法で実施。
手術も人工物(シリコンインプラント)による乳房再建、自家組織(広背筋、腹部遊離皮弁)による乳房再建がある。
◎術前の3D画像撮影によるシュミレーションが出来る。◎赤外観察カメラシステム等による安全性の重視。
◎整容性の重視等々。人工物による乳房再建も保険適用になったこと。温存手術後の乳房再建可能(照射後年数が経っていた方がよい)
(「私でも再建できる」と希望が持てました。)
竹内賢先生 「再発乳がんの治療」
今年のASCOから・すぐに生命に関わる病態がある場合やホルモン耐性への懸念がある場合を除き、ホルモン受容体陽性進行乳がんに対する標準的一次治療として、ホルモン療法を・・
・副作用の軽減と生活の質の維持を目的として、さまざまな化学療法を併用投与するより、むしろ逐次投与した方がよい。
・最適な化学療法は単一ではないので医師と患者は一緒になって治療法を選択していくと良い。
また、ESMO(今年9月26~30日に開催)からは
・モノクローナル抗体2剤+化学療法
HER2陽性転移性乳がんの新たな標準治療に 全生存期間を15.7ヶ月延長、トラスツヅマブ+化学療法(ドセタキセル)併用へのペルツズマブ上乗せ
(このようなMBCのOS延長は前例がない)BMCが近い将来「慢性疾患」の一つとなる可能性がるとか・・・。
新規薬剤についても教えていただきました。
乳がんに関しては新しいお薬が認可されてゆきます。嬉しいことですが、慢性疾患の一つになるとは思ってもいませんでした。
(参加者:あけぼの岐阜の会員21名、木沢記念病院の患者さん11名)
報告:有賀紀美子